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ブルース・リー「截拳道への道」 [太極拳]

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以前、「太極拳マスター」を目指す私の原点の一つとして、「燃えよカンフー」というテレビ映画と、その主演のデビッド・キャラダインについて書きました。
こちらです[>]燃えよカンフー デビッド・キャラダイン演ずる拳法の達人への想い

本日は、そのデビッド・キャラダインと因縁の深いブルース・リーについて、書きます。

映画スターであったブルース・リーの、もう一つの顔は、言わずと知れた中国武術家です。
ブルースは、師匠である「葉問(イップマン)」より教えを受けた詠春拳をベースに、節拳(弾腿門)などのカンフーの技術、レスリング、ボクシング、サバット、合気道、柔道などさまざまな格闘技、フェンシングなどの技術・エッセンスが取り入れられている武道 截拳道(ジークンドー)を創始しています。

私の手元に「秘伝截拳道への道」という一冊の古い本があります。

せっけん道2.jpg

これは、1970年に背中に重傷を負ったブルースが、養生を余儀なくされた6カ月間の間に書き溜めた書類を、一冊の本にまとめたものと言われています。

大学では「哲学」を専攻していたというブルースだけあって、記載された言葉には、いちいち重みが感じられます。その膨大な言葉の中から、「心の章 禅について」より、ほんの一部引用させてもらいましょう。

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■武道において悟りを開くという事は、「真の知識」即ち「真の命」を不明瞭にするものすべてを消滅させることである。同時にそれは無限の拡張を意味する。実際の焦点は、全体に合併していくある特殊の部門を修練することにあるのではなく、むしろその特殊な部門に流入し、結合する全体に対しておかれているのである。

■空(くう)というものは、此と彼の中間に存在するものである。空はあらゆるものをふくみ、その逆を持たず、それが除外するものは何もない。それは生命の空である。万物はそこから生じるのであり、その空を理解するものは、生命と力とすべての生き物に対する愛情とで、溢れるのである。

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どうです?
格調高すぎて、「なるほど、そういうことか」とはなりにくいですよね。
では、もう少し短くて、素直に心にタッチしてくるような言葉を引用します。

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■無を定義づけることはできない。きわめて柔らかいものは、ぶつっときれたりしない。

■自我の意識は、あらゆる肉体活動の適切な行為にとって最大の障害である。

■病に逆らわず、共に生き、その相手をしてやるのだ。こうすることがそれを取り除く方法である。

■確言は、その中で主張されるものにこだわらずに、それ自体が行為であるときのみ禅である。

■確かな教えはない。私が与えるものは、一部の患いのための適当な薬にすぎない。

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この本には、このような言葉が鬼のように詰め込められています。
こんな難しい事書いていたのは、ブルースが30歳になったかならないか、くらいの頃ですよ。
凄いです。でも、そうとう面倒くさい奴だったのかも知れませんが。


また、この本には、技術面での気付を書き留めたと思われる、多数のスケッチが掲載されています。研究熱心さに驚きますし、絵の上手さにも感心させられてしまいます。

IMG_7884.jpg

いかがですか!
ブルース・リーはただのアクション俳優でなかったという事が、
改めてご理解頂けたのではないでしょうか。


加えてブルースは、自己プロデュース能力に長けていたことが特筆されます。

1940年、演劇役者の次男として巡業先のアメリカで生まれたブルースは、生後3か月余りでサンフランシスコで制作された映画に出演。香港に戻ってからは8歳頃より子役として多くの映画に出演しています。

正式に武術を学んだのは、香港での少年時代に、葉問のもとで修業をした5年間ぐらいのものです。18歳でアメリカに渡った後も、独自の研究は続けましたが、試合などの実戦経験も少なかった(香港時代にケンカはしまくっていたようですが)にもかかわらず、大学時代にはすでに中国拳法の道場を開設経営。
俳優経験者だけあって、自分を売り込むのが得意だったのでしょうね。

そして、1966年の「ロングビーチ国際空手道選手権大会」に、“参戦”するのではなく、詠春拳のデモンストレーションで“参加”。これがTVプロデューサーの目にとまり、TVドラマ「グリーンホーネット」のでの準主役に抜擢されました。
これも、将来映画スターになるための、計算された行動であったようにも思えます。

これをきっかけに、ハリウッド俳優やプロデューサーに武術の個人指導をしたり、TVや映画のゲスト出演をするようになっていくわけです。あとは香港での映画出演・制作を経て、その評判を受けてハリウッドに戻り、「燃えよドラゴン」主演へと繋がって行きます。

背中の大怪我や、香港に戻る前のアメリカでの、俳優としての若干の挫折はありましたが、ほぼブルースの目論見通りに事は進んでいったのではないでしょうか。


ブルースの生涯の目標が、映画スターになることそのものか、自分の創り上げてきた「截拳道」を広める手段として映画スターを目指したのか、本当のところは本人しか分かりません。
しかし、どちらにおいても、偉大な業績を残したのは疑いようのない事実です。

そして、「燃えよドラゴン」の成功を目にすることなく、ブルースは天に召されます。
最後に自らの死をもって自らを永遠の伝説にしたという、結果として最高最強の演出をしたのは、いかにもブルースらしいと言えるのかもしれません。


さて、紹介したこの本の前書きを、ブルースの奥様であったリンダさんが書いているのですが、次のような言葉で結んでいます。

「この本を読み終わったときには、きっとブルース・リーをもっと理解していただけることと思います。しかし私は、それ以上にご自身を理解されるよう願っております。心を無にして読み、理解し、そして経験し、ある地点に達した後は、もうこの本をお捨て下さい。(ブルース・リーの妻)」


私は、死ぬまでこの本を捨てられそうにないようです。


「私、ヌンチャクを振る真似事できます」という方、
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